
事務局では、「規約」の見なおしをすすめており、運営委員会の同意がえられれば、今回の総会に改正案を提出する方針です。目的、活動内容、入会資格などの実質には手をふれず、これまでの活動実体のとおり、「名称」「事務局所在地」「役職の選出手続き」などについて、明文化することをめざします。【事務局提案のとおり可決、改訂されました】
これは将来、国立情報学研究所にウェブサイトの無償公開を申請したり、日本学術会議に団体登録を申請するさいに、求められる形式をととのえるためです。協会はすでに会合や刊行物などの要件を満たしており、規約と会員数がのこる課題です。
ドイツのスピノザ協会 Spinoza Gesellschaft より、5月20~22日にミュンヘンで開催される Lektueretagung「形而上学の方法」の案内がありました。『知性改善論』の集中的な講解にもとづき、デカルト・ライプニッツらの方法論との比較などをまじえつつ、スピノザにおける方法の問題を検討するとのことです。詳細は Spinoza Gesellschaft からの案内をご覧ください。
このほか2006年9月には「力」の主題についての国際会議を企画するほか、ショーペンハウアー協会と共催の会議、また詳細未定ながら「現代神学におけるスピノザ」についての会議も計画中とのことです。
さらに Schriften der Spinoza-Gesellschaft の12冊目として、吉田量彦会員の下記の文献の案内がありました。
Yoshida, Kazuhiko:
Vernunft und Affektivitaet: Untersuchungen zu Spinozas Theorie der Politik
Wuerzburg : Koenigshausen & Neumann, 2004.
(Schriften der Spinoza-Gesellschaft ; Bd. 12).
岩波書店は2月22日、「リクエスト復刊」31点の一部として、畠中尚志訳『神・人間及び人間の幸福に関する短論文』第6刷、『スピノザ往復書簡集』第7刷を、それぞれ10年ぶりに刊行しました。これにより現在、『神学・政治論』の一部店頭在庫をあわせると、畠中訳のスピノザ全点が入手可能という惑星直列的スペクタクルが展開中です。
2000年12月、再刊リクエスト・ウェブサイト「復刊ドットコム」に登録されて以来、両書は『神学・政治論』とならび哲学部門の上位を占め、最終的に『短論文』は98票、『書簡集』は118票をあつめました。1月11日「復刊ドットコム」で復刊が発表され、予約受付がはじまりました。より得票の少ない『国家論』や『デカルトの哲学原理』も昨年7月に復刊されました。
今回の2点も、昨春9年ぶりに復刊された『神学・政治論』とおなじく、オフセット印刷。いずれも版面は10年まえの前刷のとおりで、1955年初版の『短論文』は旧仮名旧漢字、58年初版の『書簡集』は新仮名新漢字です。ただしそれぞれ693円、945円と、2割以上値あげされました。
畠中尚志は1931年の『知性改善論』から1959年の『デカルトの哲学原理』にわたり、欧州言語にもまれな広範囲の個人訳をつくりあげました。それが欠くのは、わずかに『ヘブライ語文法綱要』とスピノザに帰されてきた2編の短い科学論文だけです。達意の日本語と原文の尊重は、いまだにタッチストーンです。あとを襲う新訳がわずかに『国家論』と『エティカ』のみであることも、氏のなみなみならぬ力量を示します。
とはいえ氏が依拠したゲープハルト版の校訂も、その後の本文批判で少なからずくつがえり、註記の古さもめだちます。質量ともにこれを上まわる邦訳が急務と言えそうです。