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『スピノザーナ』について

デカルト、カント、ヘーゲルらが西洋哲学の主軸であるとすれば、西洋の思想が方向を見うしなうたびに注目されるのがスピノザである。スピノザはコンヴェルソ(改宗ユダヤ人)の子孫として17世紀オランダに生まれ、ユダヤ人共同体から破門されたのち、西欧の思想伝統におさまりきらない異色の哲学を展開した。20世紀にも、とくに60年代以降、政治論を中心に、スピノザの思想にたいする根底的な読みなおしの気運がたかまり、世界的にかつてない論争状況がつづいている。『スピノザーナ:スピノザ協会年報』は、スピノザをめぐる批判的議論をうながすことを目的に1999年に創刊された。編集方針としては、せまい意味でのスピノザ研究にとどまらず、哲学、宗教、政治、文学、歴史、現代の諸問題などはばひろい分野をふくみ、長期的な意義をもつ研究を紹介し、スピノザ研究の論争的土俵を提供することをめざしている。主要なスピノザ研究者があたる投稿論文の審査は厳格である。


購入方法

編集委員 (2021-2022年度)

上野修 (代表)
朝倉友海・柏葉武秀・木島泰三・鈴木泉・平尾昌宏・藤井千佳世・吉田量彦


第19号(2023–24)

ISBN978–4–906502–88–2 本体定価2,200円 発売

【巻頭言】

  • スピノザの素人臭さについて

【小特集1 =スピノザ受容の問題】

  • 真理と虚偽との指標――エルンスト・ブロッホの見たスピノザ
  • 日本におけるスピノザ受容

【小特集2 =スピノザをめぐる内在と超越】

  • レヴィナスの『存在の彼方へ』におけるスピノザからみる内在と超越の転倒――「現実」としての内在について――
  • 誰がスピノザを恐れているのか――超越論哲学/デリダのスピノザ忌避について過剰肯定としての誤謬

【公募論文】

  • 必然性はいかにして認識されるか――スピノザ『エチカ』第五部定理6における存在と認識の問題――
  • スピノザにおける変異の問題

【書評】

  • スピノザ・コネクションから『スピノザと近代ドイツ』へ〈加藤泰史編『スピノザと近代ドイツ』(岩波書店、2022年)〉

スピノザ協会活動の記録(2022-24年度)

スピノザーナ 第19号 表紙

第18号(2021–22)

ISBN978-4-906502-87-5 本体定価2,200円 発売

【特集=日本のスピノザ受容】

  • 忘れられた翻訳者――斎藤晌の生涯と思想
  • 西田によるスピノザとの対峙――双方向性と絶対無
  • 田辺元のスピノザ理解――「限りの神」(Deus quatenus)をめぐって
  • スピノザ協会をつくった人びと

【公募論文】

  • 『短論文』における摂理と愛――スピノザ初期思想とストア派倫理学との比較
  • スピノザにおける誤謬はいかなる認識の欠如か?――過剰肯定としての誤謬

【翻訳】

  • 体系と時間性――ヘーゲルとシェリングとの論争におけるヤコービ

【書評】

  • 人間スピノザの人間理解〈吉田量彦 著『スピノザ』〉
  • 自然主義と現代形而上学の観点からスピノザを読む〈木島泰三 著『スピノザの自然主義プログラム』〉
  • スピノザ関連書籍の紹介(2019-2022)
スピノザーナ 第18号 表紙

第17号(2019-20)

ISBN978-4-906502-86-8 本体定価2,200円発売

【招待論文】

  • 私はいかにして『ルイ・アルチュセール――行方不明者の哲学』を書いたか
  • 真理の宛て先――新カント学派とスピノザ
  • 一元論はどのようにして現代に蘇ったのか
  • ヘルダーとスピノザ

【公募論文】

  • ホッブズとスピノザにおける神学批判の戦略
  • 変化を通じて自らが「自然の一部」であることを信じる――書簡32におけるスピノザの論証

【翻訳】

  • フローベール、スピノザの翼にのって(Juliette Azoulai, « Flaubert, sur les ailles de Spinoza »)

【書評】

  • 市田良彦『ルイ・アルチュセール―行方不明者の哲学』
  • Atsuko Fukuoka, The Sovereign and the Prophets: Spinoza on Grotian and Hobbesian Biblical Argumentation
  • 秋保亘『スピノザ 力の存在論と生の哲学』
スピノザーナ 第17号 表紙

第16号(2017-18)

ISBN978-4-906502-85-1 本体定価2,200円 発売

【講演1《ピート・ステインバッカース連続講演》】

  • スピノザ『エチカ』のラテン語テクスト新版について
  • スピノザの生涯と著作についてわれわれが知っていること
  • スピノザにとって生きるに値する人間的な生とはどのようなものか

【講演2《ベルナール・ポートラ講演》】

  • スピノザ『エチカ』における性・愛・幾何学

【論文】

  • デカルトをめぐる対立:ヨハネス・クラウベルクとバルーフ・スピノザ

【翻訳】

  • ジョヴァンニ・リカータ「スピノザとヘブライ語の〈普遍的な知識〉――『ヘブライ語文法綱要』における立つ神秘化および文法的思惟」

【公募論文】

  • 一元論における優先性と部分性:現代形而上学とスピノザの間で
  • 『形而上学的思想』における生命概念をめぐって
スピノザーナ 第16号 表紙

第15号(2014-16)

ISBN978-4-906502-84-4 本体定価2,200円 発売

【論文】

  • スピノザ『政治論』におけるjus(法/権利)の両義性
  • 《スピノザ書簡集》を作る――リマスターとリミックス――
  • 「神即自然」と「人間に固有の自然」――ヒュームのスピノザ主義――
  • 「信仰と哲学の分離」と創造の問題――アルファカールをめぐる『神学政治論』の典拠操作――

【インタヴュー】

  • 〈解説〉神は愛によってしか捉えることができない――工藤喜作氏の〈スピノザ研究と私〉――
  • 〈スピノザ研究と私〉

【書評】

  • 工藤喜作著『スピノザ哲学研究』(学樹書院・2015年5月発行)――工藤喜作『スピノザ哲学研究』を読む

【資料紹介】

  • スピノザとの出会いに関係するライプニッツの二つのメモ――訳と解題――
スピノザーナ 第15号 表紙

第14号(2013)

ISBN978-4-906502-83-7 本体定価2,200円 発売

【論文】

  • ヴァハターとスピノザ主義――ensophをめぐって

【特別講演】

  • 〈エチカ〉という語は何を意味するのか

【公募論文】

  • Ratio seu Causa――『エチカ』における原因と理由
  • カントとスピノザ主義――『オプス・ポストゥムム』を視野に入れ
  • 『神学・政治論』における神の法と表象知――モーセの律法の位置づけをめぐって
  • スピノザ『エチカ』における様態概念の解釈――個体としての個物とその存在論的身分について

【研究ノート】

  • 書簡15の追伸部(『デカルトの哲学原理』への追加依頼)をどう読むべきか――「追加=小活字部分」とするゲプハルト・カーリー説を駁す

【エッセイ】

  • 原子朗詩集のスピノザ的洞察について
  • 集合論の宇宙
  • スピノザと運命

【書評】

  • 河村厚 著『存在・感情・政治』
スピノザーナ 第14号 表紙

第13号(2013)

ISBN978-4-906502-82-0 本体定価2,200円 発売

【巻頭言】

  • スピノザのものとされているが、スピノザのものではないものについて

【論文】

  • 「国家」と「善い国家」

【特別講演】

  • ヤコービの「スピノザとアンチ・スピノザ」

【公募論文】

  • 『知性改善論』における確実性の問題
  • スピノザの存在論における自己原因の役割
  • 「現実的本質」の概念とスピノザ『エチカ』第3部定理6の証明――第1部定理36および第3部定理7との関連において

【エッセイ】

  • 犬公方のエティカ――引き籠もりの肯定とヒロイズムの否定
スピノザーナ 第13号 表紙

第12号(2012)

ISBN978-4-906502-81-3 本体定価2,200円 発売

【巻頭言】

  • 技術、科学技術とスピノザの思想

【特集】テーマ研究:「スピノザとベルクソン」

  • ベルクソンのスピノザ理解
  • スピノザとベルクソン――〈実在の思惟〉をめぐって

【特別講演】

  • スピノザとコレギアント

【公募論文】

  • スピノザ『エチカ』における動物との関わりかた――人間の絆と動物の利用についての考察を中心に
  • スピノザ『知性改善論』における規範と実験

【研究ノート】

  • 現代形而上学から見たスピノザ――様態論を中心に

【書評】

  • 手島勲矢 著『ユダヤの聖書解釈――スピノザと歴史批判の転回』
スピノザーナ 第12号 表紙

第11号(2010)

ISBN978-4-906502-80-6 本体定価2,200円 発売

【巻頭言】

  • 畠中尚志『エチカ』の訳業

【訃報】

  • 工藤喜作会員

【インタビュー】

  • 工藤喜作氏に聞く

【論文】

  • ホッブズとスピノザにおける「自然権」――イエレス宛書簡を手がかりとして
  • ライプニッツはスピノザをどう読んだか――『神学・政治論』・「自然主義」・ライプニッツ
  • メンデルスゾーンとスピノザ主義の水脈――その源流
  • スピノザ『神学政治論』からメンデルスゾーン『エルサレム』へ
  • 欲望の倫理――スピノザを廻るラカンとレヴィナス

【エッセイ】

  • 工藤さんを悼んで
  • 工藤喜作先生を偲んで

【書評】

  • 佐藤 一郎 著『個と無限』
  • 福岡 安都子 著『国家・教会・自由――スピノザとホッブズの旧約テクスト解釈を巡る対抗』
  • 福居純 著『スピノザ「共通概念」試論』
スピノザーナ 第11号 表紙

第10号(2009/2010)

ISBN978-4-906502-99-8 本体定価1,900円 発売

【巻頭言】

  • ガリレオの『新科学対話』とスピノザ

【訃報】

  • 柴田寿子会員

【論文】

  • 〈自己原因〉論争の「目撃者」としてのスピノザ
  • 存在しないものの存在論――スピノザにおける精神の永遠性をめぐる一つの論点――
  • 自由意志と目的論の帰趨――ストア派とスピノザ――

【書評】

  • 【書評】柴田 寿子 著『リベラル・デモクラシーと神権政治――スピノザからレオ・シュトラウスまで』
スピノザーナ 第10号 表紙

第9号(2008)

ISBN978-4-906502-98-1 本体定価2,200円 発売

【巻頭言】

  • 〈自己への配慮〉をめぐって――デカルトとスピノザ

【論文】

  • なぜ直観知は必要なのか――スピノザの認識論の意義について

【特集 1】誌上ミニ・シンポジウム:「17世紀人文学とスピノザ」

  • ヤコブス・ホイエル(1651-1689)とホメロス研究
  • 《レスポンス》ホイエルをめぐる三人の人物とスピノザ
  • 《レスポンス》スピノザの聖書解釈の特異性について――16・17世紀クリスチャン・ヘブライストとの関係で

【特集 2テーマ研究:「デカルトとスピノザ」

  • 『哲学の原理』から『デカルトの『哲学の原理』』へ――物体の実在証明における「感覚」と「想像力」の役割について

【投稿論文】

  • スピノザにおける生と死

【書評】

  • Manfred Walther (hrsg.), Die Lebensgeschichte Spinozas
  • 大槻 裕子 著『ゲーテとスピノザ主義』
  • 渡辺 義晴 著『スピノザの社会思想――多数者の哲学を求めて』
  • 浅野 俊哉 著『スピノザ――共同性のポリティクス』
スピノザーナ 第9号 表紙

第8号(2007)

ISBN978-4-906502-97-4 本体定価2,200円 発売

【巻頭言】

【論文】

  • スピノザとシェリング――受容から離反へ
  • 信仰と哲学の分離:マイモニデス、エリヤ・デルメディゴ、スピノザ

【特集】誌上合評会:『文明のモラルとエティカ』を読む

  • いくつかの問いかけ:スピノザと拙著『文明のモラルとエティカ』
  • 齋藤文明学の成立――文明学としての法哲学・歴史哲学――
  • ポストモダン的啓蒙と脱構築としてのスピノチスムス

【論文】

  • スピノザと政治的自由――『神学・政治論』『政治論』が直面した異なる問題について
  • スピノザを巡るシェリングとヤコービとの対話――『自由論』序論部の読解
  • スピノザ「共通概念」の普遍性の程度

【書評】

  • 松田克進著『スピノザ形而上学の基本構造』 『エチカ』の意味論
  • 上野修著『スピノザ――「無神論者」は宗教を肯定できるか』 上野『神学・政治論』学のエッセンス
スピノザーナ 第8号 表紙

第7号(2006)

 

ISBN4-906502-96-02 本体定価2,200円 発売

【巻頭言】

  • 二つの神の違い

【論文】

  • コナトゥス概念の原理的諸相
  • 18世紀末ドイツにおけるスピノザ復興――ヤコービとヘルダーのスピノザ「改」釈
  • スピノザのマイモニデス批判――中世ユダヤのメタファー解釈との関わりで

【インタヴュー】

  • スピノザ哲学への原理的アプローチ――河井 徳治氏に聞く

【書評】

  • 上野 修 著『スピノザの世界』
スピノザーナ 第7号 表紙

第6号(2005)

ISBN4-906502-95-4 本体定価1,600円 発売

【巻頭言】

【論文】

  • 必然、永遠、そして現実性――スピノザの必然主義
  • スピノザにおける意識の批判
  • 一度も使われない公理は何を意味するか?――『エチカ』第一部公理2についての考察

【エッセイ】

  • スピノザの「反実在論」

【書評】

  • 江川隆男著『存在と差異――ドゥルーズの超越論的経験論』
  • Antonio Damasio 著Looking for Spinoza: Joy, Sorrow, and the Feeling Brain
スピノザーナ 第6号 表紙

第5号(2004)

 

ISBN4-906502-94-6 本体定価2,200円

【巻頭言】

  • 心身同一論私論

【論文】

  • スピノザ哲学と『形而上学的思想』
  • スピノザのデカルト読解をどう読解すべきか?――『デカルトの哲学原理』におけるコギト――
  • 啓蒙期ドイツのスピノザ主義――ランゲ-ヴォルフ論争から――
  • スピノザの「属性」概念

【特集】スピノザの書誌学 (2)

  • [研究ノート]『神学・政治論』のスピノザ原注

【書評】

  • 福居 純 著『スピノザ『エチカ』の研究――『エチカ』読解入門』
  • スティーブン・ナドラー著『スピノザの異端説:霊魂不死説とユダヤ精神』
  • 佐藤 拓司 著『堕天使の倫理――スピノザとサド』
スピノザーナ 第5号 表紙

第4号(2003)

 

ISBN4-4906502-93-8 本体定価2,200円

【巻頭言】

  • スピノザとカント

【特別講演】

  • Verum index sui et falsi: 真理の「規範」と「規準」
  • [リマーク]第四種認識は科学原理か個物知かという疑問を中心に
  • [リマーク]スピノザとデカルトの間に関する疑問と報告
  • [リマーク]求めるべきは認識種別を支える存在論
  • [司会報告]明確に科学認識論的な『知性改善論』理解

【論文】

  • 〈エチカ〉と一義性の哲学:ドゥルーズのスピノザ主義について
  • スピノザにおける「完全性」概念の意義について
  • Certitudo moralis について:スピノザにおける確実性の在りようをめぐって
  • スピノザの人間論における「目的」概念の適正な定位――『エチカ』第3部定理12と定理28の検討――

【特集】スピノザの書誌学 (1)

  • [研究ノート]『神学・政治論』の書誌学
  • [資料]『神学・政治論』をめぐる教会の告発と当局の処分
  • [研究ノート]国内蔵スピノザ "原典版" 資料
  • [エッセイ]小伝・高橋清七

【書評】

  • 出口剛著『エリッヒ・フロム:希望なき時代の希望』
スピノザーナ 第4号 表紙

第3号(2001/2002)

 

ISBN4-906502-92-X 本体定価2,200円

【巻頭言】

  • 解釈における過去と現在

【論文】

  • スピノザ・ヴィーコ・現代政治思想:ビアジオ・デ・ジョヴァンニの考察の教示するもの
  • ボイルとスピノザ
  • ステノとスピノザ:自然の歴史と聖書の歴史
  • スピノザにおける二つの平行論と観念の観念:必然主義のもとでの倫理学の可能性をめぐって
  • 環境思想から見たスピノザ
  • 顧みられないふたつの翻訳

【書評】

  • 田島 正樹 著『スピノザという暗号』
  • 田島 正樹 著『スピノザという暗号』
スピノザーナ 第3号 表紙

第2号(2000)

ISBN4-906502-91-1 本体定価2,200円 残部僅少

【巻頭言】

  • スピノザ主義によせて

【論文】

  • スピノザの奇蹟迷信論
  • コナトゥスと倫理――レヴィナスのスピノザ解釈
  • スピノザにおける民衆の救済:「哲学と宗教の分離」と『神学政治論』の虚実

【エッセイ】

  • 永遠なるあるもの
  • スピノザとパスカル

【書評】

  • 藤本 吉蔵 著『スピノザ思想の原画分析』
  • 柴田 寿子 著『スピノザの政治思想――デモクラシーのもうひとつの可能性』
  • 柴田 寿子 著『スピノザの政治思想――デモクラシーのもうひとつの可能性』を読んで
スピノザーナ 第2号 表紙

第1号(1999)

 

ISBN4-906502-90-3 売りきれ

【巻頭言】

  • 創刊によせて

【特集】スピノザの神

  • 宗教と自由人間的自由の可能性をめぐって――デカルト、カント、そしてスピノザ――
  • 人間が自由に神を祀ること:『神学・政治論』における預言の象徴的表現をめぐって
  • ユダヤ学のスピノザ再発見:S. D. ルツァトの場合(19世紀ユダヤ啓蒙主義の葛藤)
  • 『スピノザの宗教批判』英訳版への序文

【エッセイ】

  • スピノザとジェンダー問題
  • 亡びについて
  • コノリーをめぐるニーチェとスピノザの対話

【書評】

  • 上野修著『精神の眼は論証そのもの』
  • M.デラ・ロッカ著『スピノザにおける表象と心身問題』
スピノザーナ 創刊号 表紙

『スピノザーナ』を納入中の施設

各大学の所蔵状況は、CiNii上の『スピノザーナ』収蔵施設一覧や各大学のOPACを参照して下さい。